冬夏について
京都、御所東にある築1 0 0 余年の日本家屋にある、わずか6席のティールーム「冬夏」から、私たちは始まりました。
「新茶が一番」「銘柄は〇〇」という日本茶の常識にとらわれず、畑ごとの味の違い、製法や施肥の有無、
オーガニック農法から生まれるお茶の個性を淹れ分けることによって、日本茶はワインのように、生き生きとその個性を語りはじめます。
冬夏が提供する日本茶は、その複雑な香りと奥行き、温度と共に移ろいゆく茶味で、これまでの日本茶のイメージを覆します。
tearoom tokaお茶で通じ合う
キリスト生誕前の中国から始まり、今なお世界で愛飲されているお茶は、人が見出した最も優れた食べ物のひとつです。
手間ひまをかけて耕された茶畑と茶樹は、地域のランドスケープとなり、紀元前から続く農耕の叡智が結集しています。
また、お茶を飲むための設えや道具、空間への探究美は、洋の東西を問わず、常に暮らしとともにあります。
中国の茶=Chaは東西に別れて伝播し、ロシアやインドのChai、英国のTea、
仏国のThé、ドイツのTee、そして日本の緑茶と、世界中で愛飲されているお茶。
それは、お互いの違いを受け入れながら理解しあう文化の掛け橋であり、人と人をつなぐ素晴らしい社会的コミュニケーションでもあるのです。
なぜ、オーガニックなのか
収穫した生葉をそのまま加熱して作る茶葉には、「洗浄」という行程がありません。
従って、私たちは茶園と自然の環境、栽培条件を、丸ごと水に溶かして飲んでいることになります。
また添加物を加えなくても、自ら豊かな茶味を醸成できるのは、健康な畑に育つ茶木に他なりません。
昨今、健康や文化に意識が高く、購買力のある海外の市場が日本茶を牽引しており、
なかでも有機栽培の緑茶は年々、欧米への輸出量を確実に伸ばしています。
今、日本の農家の平均年齢は約68歳。農業を受け継ぐ若い世代が地域の仲間と連携し、
有機栽培へとシフトするなど、日本の茶園は転換期を迎えています。
未来の農業に光を与えたい。冬夏は日本全国のオーガニック農家を応援します。